健康ホルモン『一酸化窒素NO (エヌ・オー)』を増やす方法は存在するのか?

Bath Loss Zero

我々の体内にある健康ホルモン一酸化窒素NO(エヌ・オー)について、皆さまはどのくらいご存知でしょうか?
昨年の2021年2月、ためしてガッテンでもNOについて1時間特集されていました。

たった2分で血圧低下!?ミクロの“ツボ”刺激で魔法のガス大活躍 – NHK ガッテン!
https://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20210203/index.html

一酸化窒素NO(エヌ・オー)は、一言で言えば血管拡張ホルモンです。
血管を拡張して血流を促してくれるありがたい存在で、恋をしたり、楽しく食事をしたり、ぐっすりと気持ちよく眠れたときに、血管の内壁に発生する物質です。

「NOを増やす方法」と検索すると、サプリが良いとか、あれを食べると良いとか、運動が良いといった情報が出てきますが、正直なところそんなものでNOを分泌させることは難しいです。
その昔、サプリや健康法でNOが健康ホルモンとして大ブームになったことがあったのですが、その時に提案された健康法はどれも効き目がなく、一過性のブームで終わってしまいました。

健康ホルモンNOについて歴史をさかのぼってみましょう。
とあるダイナマイトの工場で働く心臓病を持つ従業員が「家では発作が起こるのに工場では起こらない」と言ったことから、ダイナマイトの原料ニトログリセリンには血管を拡張させる成分が含まれているのでは?と考えられていたそうです。
実際、後にはニトログリセリンが狭心症の特効薬になるのですが当時はまだ研究が進んでおらず、あくまで噂でした。

そんな中、「人間の体に外から影響与えるものは、必ず人間の体の中にもあるはずだ」と仮設を立てて1970年頃から研究を始めたルイス・イグナロ博士という人物がいました。
また、1980年には、DR ・ファーチゴットなどが血管内皮細胞で生成されるメッセンジャー物質(血管拡張信号伝達物質)を発見し、学会で発表して話題になります。
しかし、この物質は瞬間に姿を変えるため、同定が難しく、この物質が何なのか、多くの研究者が取り組んでもわかりませんでした。そこでファーチゴット氏は、これを内皮細胞由来血管弛緩因子EDRFと名付けて、その後も多くの研究が行われておりました。

謎の血管拡張物質の正体を追っていたルイス・イグナロ博士は1987年頃EDRFはNOであるという研究結果を発表し、それが認められて1998年にノーベル生理学医学賞を受賞します。

この時、一大NOブームが健康美容界に起こりました。
NOについて膨大な研究がなされ、年間に7,000件ほどの論文が発表されるようになったのです。
アルギニンが原料になっていると注目されたり、一躍有名になったり、サプリや運動法や食べ物でNOが発生すると、さまざまな健康法が出てきたのです。

ですが、いまだにアメリカでは心臓病がガンの死亡者数より多く、日本でも心臓病は第2位の死亡者数となっています。
NOが血管を拡張させる成分というのは間違いないのですが、外からNOを取り入れようとサプリや運動や食べ物でNOが発生するとは言っても、心臓病を治すほどの量では無いわけです。
美容や健康といったものは3年ほどでブームが去りますから、効果が出ないとなおさらですよね。例外になく、NOのブームは過ぎ去ってしまったわけです。
もし、ノーベル賞を受賞した時に重炭酸入浴剤でNOが発生すると分かっていたら驚異的な広まり方になっていたでしょうが…。

ですが、ついに2021年に重炭酸温浴でNOが血管内皮に分泌し血流が上がるという論文が、NATUREの姉妹誌 Scientific Reports に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41598-021-01285-4

重炭酸温浴の中性重炭酸で体が温まるメカニズムは、NOによる血流促進によるもので、それが家庭のお風呂に重炭酸入浴剤を入れて30分以上入浴するだけで可能になるのです。
もちろん15分程度でもNOは分泌するのですが、NOが出始める頃にお風呂から出てしまってはもったいないので、重炭酸温浴でお風呂に入ったら是非30分は入っていただきたいと思います。

なぜ重炭酸入浴剤でNOが出るのかは、また次回に説明させていただきますが、このNOを分泌することができる入浴は、お風呂にゆっくり浸かるだけです。
浸かるだけ、寝たままで有酸素運動ができる最高の健康法になること必至です。こちらもご参照ください。

「NO健康法と言えば重炭酸温浴」というくらい、世間に広まって欲しいですが。
それには使っていただいた皆さまの健康効果をSNSであげていただきたいと思います。

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小星 重治 プロフィール

社会保障費圧迫、国家財政破綻を救うためには、高齢者が病気にならないノーベル賞並みの重炭酸温浴健康法しかない。定年制廃止と併せ、30兆円を生み出そう!

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