顧客優先の商品開発

ビジネス

”相手を立てれば蔵がたつ”は昔、キャバレー王と呼ばれ、長者番付けの、トップにもなったキャバレー経営者、福富太郎という成功者のことばであったかと思うが、彼の経営理念は徹底してお客様がくつろげる場の提供をめざした利他的精神であった。

最近は、利益優先、生き残りをかけるあまり、お客様最優先を忘れてしまったような企業の話題が目立ち残念である。あの有名な高級料亭がお客様の食べ残しを暖めなおして再提供していたなどは言語同断だが、企業は競争を意識するあまり、お客様最優先をわすれ、機能競争にしのぎを削ってしまいがちである。

この機能競争は大企業が生き残るためには必要だが、使い勝手を悪くし、ひどい場合は前の商品と互換性無く、買い替えを余儀なくさせ、お客様にひどい迷惑をかけてしまうことも多く、このような企業論理の商品開発は、無意識ではあろうが本質的には、吉兆、ミートホープ、赤福などとも通じる利己的行為である。

WindousXPとVista やOffice2003と2007の関係など、実際に自分で使ってみてもひどい開発と思わざるを得ない。

特別なユーザーを除き大多数の顧客にとっては、せっかく使い慣れた知識や経験が無駄となり、迷惑この上ない商品開発としか思えない。

写真の場合も、デジタル化は便利な面もあるが、写真の主要な顧客である、主婦、シニア、育児ママなど、PCスキル弱者にとっては、パソコンが前提での仕組みや商品設計は迷惑この上ない。

アナログ時代の写真システムでは徹底して互換性を追求し、フィルム、パトローネ、カメラや現像処理でさえ統一し、世界中どこの商品でも、どこのお店に出してもプリントすることができ、使い勝手も同じでマニュアルなど不要であった。

デジタル時代になって、使い勝手もばらばらで、各社のメモリーカードの形状は異なり、スマートメディアはすでに市場に無く、SDとSD-Mini、メモリーステックとメモリースティックDuoのように同じメーカーでも、数年で形が変わってしまい前のカメラには使えない、パソコンやOSもどんどん進化しハードディスクやメモリーカードの寿命も十数年、寿命前にも、ウイルス、クラッシュなど、写真を再生できない危険が無数にあり、赤ちゃんの写真が30年後に鑑賞できる保証は全く無い。

一方、身の回りには、Wiiなどの簡単、家族、などを大切にした感動の商品も絶好調で、顧客最優先を図ることが最終的には企業繁栄の道であることも証明してくれている。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP