発明おじさんのルーツ

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現役時代700件、定年後独立してからも42件もの特許を取得する”発明おじさん”と言われ、「そのコツとかルーツはどこにありますか?」と聞かれることが良くあります。
一言で言えば、『性格かな』なのです。

不可能だとか、不便だとか、難しいとか言われるとがぜん解決したくなる。
子どもの頃から、親があきれるほどのあばれはっちゃく、規制されるのが大嫌いで村一番のいたずら小僧でした。
ちっちゃな子を集め、山や畑で戦争ごっこ、作物を荒らして、近所の大人に良く怒られた。
父は厳しい人で、人に迷惑かけるのはこっぴどく怒られたし、13歳も離れた1番上の正義感の強い姉にも良く叱られた。
6人兄弟の末っ子で、どんなに怒られても、めげずにいたずらを探してはやっていた。
ガキ大将だから遊びを工夫して、みんなを楽しませる必要があったのかもしれない。

不可能を解決するのが大好き。
例えばコスト半分で性能2倍とか、挑戦するのが大好きなのだ。
二律背反する問題を一挙に解決するのが創造性。

46くらいだったか?アメリカのメイン州のホテルで極寒の2月頃のこと。
ホテルの一室から下を眺めていると、車のガラスに霜がつき、それを落とすのに皆が板をもってガラスを削って苦労している。
そんな困っている姿を見ると、「霜がおりないガラスの表面加工を開発しよう」と考えるわけです。

日本に帰って北アルプスの冬山に入り、霜のおりない葉っぱを見つけ、その表面を解析して、ガラスの表面処理を特許に出したりしてました。
写真屋さんなのに、関係なくても、難しい問題が目の前にあるとやっつけたくなる。

また、『写真現像の無水洗処理』もそうです。
写真の水洗を徹底にしていた時代に、洗わず無水洗で写真を100年持たせる。
絶対に無理だと思う人しかいなかったし、上司が社会に逆らうのか?と脅してきても「絶対にやるんだ」と言う思いで解析をはじめ、必ず達成させてしまうのです。

コニカ入社早々、10年くらいで世界初の写真付きIDカードを万博に出展し、日本の免許証を40年間独占した。
世界初の写真の錠剤ケミカル。これをやったから定年後に重炭酸温浴法を開発することができたのです。
世界には常識という大きな壁がある。ほとんどの方は常識を疑わないが、私は常識が大嫌い。
常識を破壊するから発明があるのです。

子供のころ、親に怒られるからやめるのではなく、やりたいからやる。
叱られるのは承知の上です。親の目を盗みながら、工夫しやり遂げる。
いかに遊びを追求し、仲間と楽しむか、ということなのです。

私にとっては仕事が子供の時の遊びそのものなのです。
楽しいから、発明する。遊びだから突破できるのです。
それが私のルーツであると思うのです。

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