「重炭酸温浴は足湯でも効きますか?」
というご質問がありましたので、それについてお答えしたいと思います。
結論から言うと、重炭酸温浴であれば、全身浴、半身浴、足湯、手湯でも、41℃以下のお湯であれば効果があります。(42℃以上では交感神経が緊張して血管が収縮してしまうので✕)
15分以上入っていただくのが効果的ですが、入れば入るほど良いのが重炭酸温浴です。
30分とか1時間が難しければ、足湯ブーツを取り入れていただき、家事やTVを見ながら重炭酸血行浴を楽しんでいただけると良いでしょう。
ご自身のライフスタイルに合わせて、取り入れやすいものをやっていただければと思います。
なぜ足湯でも有効なのか?
手でも足でも背中でも、肌の皮脂腺や汗腺から皮下の毛細血管に重炭酸イオンが浸透すると、血中の酸素に対する重炭酸イオン濃度が大きくなりガスバランス(酸素と重炭酸イオンとしての炭酸ガス濃度バランス)が狂います。
すると脳のセンサーが「血中のpHが変わっている、これは大変!」と危険を感じ、血管内皮に一酸化窒素(NO)を分泌し、血管の平滑筋の緊張を緩め、血管をほぼ2倍に一気に拡張させます。
すると血流が5、6倍にアップし、肺から急いで酸素を取り込んで、酸素と重炭酸イオン(炭酸ガス)のバランスを整えようとします。
重炭酸イオンのお風呂にずっと浸かっていれば、血管内皮のNOが分泌され続けますので、血流はずっと高いレートで流れ続け、体は一気に温まり、体温が上昇します。
お風呂に浸かったまま25分くらいすれば、青い静脈血が真っ赤な動脈血になる現象が起こります。
これは『静脈の動脈化』という現象で、血中酸素飽和度が急上昇すると見られる現象です。
ですからコロナ感染などで自宅療養する場合、保健所からパルスオキシメーターが配布されますが、血中酸素濃度が心配な場合は重炭酸の足湯などで 酸素飽和濃度を高めておけば少しは安心できるでしょう。
詳しくは過去のブログをご覧ください。
長く入れるなら全身浴がおすすめ
そういうわけで、重炭酸温浴では、手湯であれ、足湯であれ、半身浴、全身浴とも大きな違いはありません。
ですがそうは言っても、全身入浴が一番効果が高いと思われるのは、重炭酸イオンを吸収するお肌の面積が大きいからです。
また、湯船につかって浮力と水圧を全身に受けると、重力のストレスから開放されるので、リラクゼーション度が違います。
私は夜だけでなく毎朝も40分ほど全身浴をしています。
湯船につかりながらテレビを見てリラクゼーションするのが最高ですね。休みの日は暇があれば何度でも入ります。
重炭酸イオンはお湯に溶け込んでとどまりますので、24時間は効果が続くというのも魅力の一つだと思っております。
重炭酸温浴は、血中のガスバランスを一定にしようという『生体恒常機能』を使って血流を上げますが、体温や呼吸や免疫なども一定に保とうという生体恒常機能が常に自動的に働いてくれています。
ジョギングなどの有酸素運動では、可能な限り軽い運動でいかに大量の酸素を肺から取り込むかの運動を言いますが…
重炭酸温浴も、筋肉をできるだけ使わずお風呂に寝たまま、心拍も心臓負荷もほとんどなく、末端の毛細血管を開いて血流を上げて、酸素を肺から大量に取り込みます。
そのため、脈拍や血圧は上がらず、心臓にも負担がかからず、老廃物も全く出ず、静脈を動脈のように再生させるのです。
重炭酸温浴は、最高の有酸素運動でもあるのです!
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