人の歴史は数百万年ですが、有史以来つい100年前まで、他の動物と同じく、自然と共に生活してきました。
一般家庭には、石油コンロもなく、化粧品や洗剤など石油化学製品は殆どありませんでした。身土不二、地球と一体で過ごしていたのです。
1920年頃、石油精製の排ガスからイソプロピルアルコールが合成され、それが発端となって以後、石油からいろいろなものが合成できるようになり、あらゆる石油化学合成品が作られました。そして、生活の中に溢れるようになったのです。
調味料で言いますと、本来は砂糖や塩、そして発酵法で作られた、味噌や醤油やお酒といったようなものしか存在しなかったのです。
2500年前、医聖・ヒポクラテスが、「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく」という名言を残しましたが、当時はまるで自然しかないような時代であるのに、地球と一体の生活から離れれば必ず病気に近づくと予告したのです。
戦後、石油化学合成品の登場によって、人々の生活が自然から遠ざかって行ったのですが、たった100年のことです。
特に、1975年頃殺菌剤入りの液体化粧品や高性能な界面活性剤の登場により、たまに固形石鹸で洗うという入浴が一変しました。
毎晩入浴し、化学洗剤で体を洗う生活習慣が一般化したことで自然から遠ざかりました。
そして、一挙に生活習慣病を生み出されていったのです。
この100年でCO2ガス排出量が急増し、地球環境が破壊され、持続可能性が危ぶまれ、SDGsが叫ばれるようになりました。
カーボンゼロ(カーボンニュートラル)を目指す動きが出てきていますが、人の健康も“化学品ゼロ“を推進しないと、その健康持続性が危ぶまれているのです。
自然界には有害な食物も多く、進化を通じ、口から入る経口毒を解毒するために腸内細菌や肝臓、腎臓機能といった防御網により体が守られるようになりました。
一方で、皮膚は肌から浸透する有害物質は細菌やウイルスの様な微生物だけであったため、角質皮脂バリアと常在菌による肌細菌で細菌やウイルスの攻撃から守るのみとなっています。
また、経口毒と違って、皮下脂肪に蓄積した経皮毒は解毒できません。
石油化学製品によって、肌を洗い、ケアし、化粧すると、畳1畳分ほどもある大面積の肌を界面活性剤で洗い角質バリアの皮脂を抜いてしまい、角質皮脂バリアが破壊されてしまいます。
そうしますと、石鹸シャンプーの化学物質や水道水の残留塩素などが経皮吸収され、皮下脂肪に溶解し経皮毒になって蓄積し、交感神経を四六時中緊張させ、副腎皮質からコルチゾールを分泌し、身体や脳にストレスを与え続けてしまうのです。
その結果、血流が低下し体温が下がり、睡眠障害となって不調のもとになり、生活習慣病につながってしまうのです。
清潔好きな日本人に冷え症が特徴的に起こっている事からも、毎晩化学洗剤で体や頭髪を洗う入浴をやめ、本来のバリア機能の破壊を防がなくてはなりません。
ここ70年の間に経皮毒という大きな問題を引き起こしているのですが、特に経皮吸収率の高い肌バリアの弱い赤ちゃんと女性の粘膜質の部位から体が破壊されていくので注意が必要です。
戦前までの自然の洗浄による入浴生活へ戻ることができれば、あらゆる不調は改善されると思います。
今の生活が、人類の長い歴史の中でいかに自然から遠ざかっているのか、そしてそれが健康を脅かす重大な問題なのだと知っていただきたいのです。
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