写真技術の企業がなぜ化粧品?健康と美容の研究に欠かせない技術とは

想い

もともと私は、コニカ㈱ (現 コニカミノルタ㈱)の研究者でした。
詳しくは過去のブログなどをご覧いただきたいのですが、コニカ時代に発明した錠剤製造技術を応用して世界初の重曹とクエン酸のタブレット型重炭酸入浴剤を完成させました。

ではなぜ?写真屋さんが、医療や美容にも明るいのか?ということですが、コニカにはレントゲンフイルムを扱う、医療事業部もありました。
写真フイルム、特にカラー写真は数ミクロンという厚さのまるでお肌の真皮から表皮のような、7から9層もの層でできています。
1層1層が、高度に機能分化された光の波長毎の、青、緑、赤それぞれの感光層と超ファインケミカルな感光色素などが凝縮塗布された膜の中で、光と現像など光化学反応によってできたカラー写真色素は、撮った景色を正確に再現するだけでなく、現像後は100年たっても色素が褪色しないよう、アンチエイジング技術が施されておりました。

これを作り出せる企業は世界に4社しかなく、如何に高度な産業だったかが分かります。
超薄膜多層高速塗布技術やどんな高度な化学式の有機化合物をもコンピュータで設計し作り出すファインケミカル技術、人の肌に近いゲラチン膜内の反応コントロール技術、100年色素が褪色しないアンチエイジング技術は、医療医薬品合成美容素材合成分野にも群を抜いた実力を有します。
その証拠に富士フイルムは写真フイルムが衰退しても、医薬品や美容技術でその華を咲かせています。

残念ですがコニカミノルタ㈱は複写機事業のみに集中し、健康事業は多少手掛けているものの美容には一切進出しませんでした。
その代わりと言ってはなんだが、私が【写真技術で社会に恩返し】という社是を掲げて起業し、写真ケミカルの錠剤製造技術を応用して、入浴を通じてお客様に真の健康と真の美容をお届けしようとしているわけです。

簡単に言えば、肌とフィルムは同じような多層膜構造で、温浴効果で血流をあげ健康と美容を支えるのは、フイルムで言えば、多重層間コントロール技術とアンチエイジング技術で実際の景色以上に美しい写真を永久に美しいまま保存する技術にも概念的には近いものがあるのです。
シミとかシワとか透明感ある美肌だとか、フイルムでも実際のお肌でも膜の中でどういう反応をするのか、生体の反応を参考に技術を創り上げ、それをどうやってアンチエイジングしていくのか、写真技術を持つ企業にとっては、大得意分野だったのです。

「写真技術の研究の先に健康と美容がある」といったところを、これからも少しずつお話していければと思います。

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