日本人の利他の心

想い

日本人の個人の寄付額は7,756億円ほどで、GDPの0.14%程度だ。
それに比べて韓国は6,736億円、GDPの0.5%。
アメリカは30兆6,664億円で、1.5%ほどで10倍だ。

東日本大震災で日本も寄付が倍近く増えたが、欧米に比べても、韓国に比べても、圧倒的に低いのだが、日本人に利他の心が無いかといえばそうではない。
自分のことだけではなく、まわりも豊かにして人と協力して生きていくという利他の心は、
むしろ世界でも優れているものだと思うのです。
そして利他の心は、寄付をする心も十分なのですが、システムがないだけかもしれない。

寄付や奉仕の心は、あいうえおだと言われます。
あは愛です。利他の心ですね。
いは粋、成功者が寄付する心で、例えばホームラン1本打ったら10万円寄付するとか。
うは、内輪への寄付。
えは、縁。
おは恩返しだそうです。
又寄付の仕方にも二通りあり、
一つ目は高徳心からの奉仕の精神で、例えばNPOなどの団体に就職し社会のために細々であっても貯金をしてそれを寄付する。
主にこちらは日本のスタイルで、成功しない内から、社会のことを考え社会に貢献をしようとしているまさに利他の心である。

二つ目は、効率的に稼いでどかっと寄付をする。
経済学を学んでウオールストリート街に就職し、秒単位でトレードし、株で3年、100億稼いで30億寄付すると言うようなやり方だ。
こちらは欧米流成功者のスタイルだ。
アメリカのハーバード大学やマサチューセッツ工科大学やスタンフォード大学などに行くと、広大な敷地に卒業生の成功者が寄付した名前入りの図書館とかチャーチとかがいっぱい建っている。
神様が見ているから、というキリスト教文化からの寄付なのだろう。
寄付の過程は違えど、どちらも利他の心とか宗教観だと思う。

人間の祖先ホモサピエンスは、基本的に利他の心を持っていたから生き残り繁栄したのだそうだ。
それ以前のネアンデルタール人は身体的には力も強く能力も高かったのに利他の心を持ち合わせず、仲間と共調できずに定住できないから絶滅していったという。
ホモサピエンスは、定住し農耕も狩も仲間と助け合い利他の心で繁栄することが出来生き残れたのだそうだ。

相手を愛する心、相手と協力する利他の心があるのが人間なのだという。
だから基本的には納得すればだれでも寄付はしたいものなのである。

宇宙の大原則も利他の心が働いている。
宇宙や地球の起源もそうだが、光と水と葉緑素が植物を作り、動物のえさを生み出し、食物連鎖で助け合って互いが繁栄しているのである。
植物は土と水と光があれば自らコメや澱粉や果実を作れるが、動物は自分の食べ物を自ら作る事はできない、消費するだけだ。
基本的には何かの恵みを受けて生きている。
人以外は食物連鎖でみな助け合って生きているのだが、人間だけは何も貢献せず、自分の欲だけで沢山稼ぎ、結果的に環境を破壊することにつながってしまっている。
人間さえいなければこの地球は永続可能なはずだ。

利他の心を持っていても、意識しないとできないのが寄付や奉仕だ。
「和をもって尊しとなす」という我々日本人の根幹にある和の精神。
利他の心を忘れることなく、意識して他を利する寄付や奉仕をしていくことが最も自己を繁栄させる基本だ。
近頃は少しずつ個人の寄付額が増えているという話も聞く。
クラウドファンディングやふるさと納税など、寄付の選択肢も増えてきているので喜ばしいことだ。

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